着物を着てみたいけれども、着付けの方法が難しそう…。まずは、何から手をつけて良いのか、わからない。
そのような考えから、着物に躊躇してしまわれる方がたくさんおられます。
しかし、着物の着付けは、一度わかってしまえば、意外と簡単なものです。
今回は、着物の着方について、1から簡単にご紹介したいと思います。
1.足袋(たび)を履く
着物を着た後に足袋をはくと、着付けが崩れてしまいます。そこで、特に初心者の方の場合には、先に足袋をはいておくことをお勧めします。
2.肌着をつける
着物を着るときにも、肌着が必要です。ワンピースタイプやセパレートタイプなどのものがあるので、好みに応じたものを選びましょう。おすすめはやはり天然繊維のものです。
肌に直接触れるので、綿やシルクの肌着が気持ちよくお召しいただけます。
3.補正をする
腰と胸の下のあたりにタオルを巻きます。おすすめはガーゼ素材のバスタオルのサイズを縦に三つ折りにして巻いてください。先は巻いた部分にはさむように留めます。
こうすることで帯が崩れにくくなりますし、夏ですと汗を吸い取ってくれます。
4.長襦袢を着る
次に、長襦袢を身につけます。長襦袢の着付けは、着物姿を美しく見せる要となるので、しっかりと整えておきましょう。襟の抜き加減を人それぞれ好みがありますが、握りこぶし一つ分抜くと、前合わせも美しく、上品にきまります。
当店では長襦袢にえもん抜きをつけてお仕立てします。そこに通すとえもんがきれいにぬけて着崩れましません。
5.着物を着付ける
長襦袢を身につけたら、着物の着付けを行います。
以下では、簡単に着付けの流れを紹介していきます。
5-1.着物を合わせる
まずは着物を後ろに回して、両肩に羽織ります。そして、片袖ずつ通していきます。
次に、着物の両衿を持って、着物全体を持ち上げて、裾を床につかないくらいのぎりぎりの長さに調整します。
訪問着や付け下げなどの着物は少し長めに、紬は少し短めに着るとよいと思います。
そして、上前を合わせ、前幅を決めます。そして、決めた前幅を外側に広げて、下前を巻き込みます。その上から、広げた上前を持ってきて、合わせます。
5-2.腰紐をつける
次に、腰紐をつけます。右手で腰紐の真ん中を持ち、後ろに回して交差して、腰紐を締めます。このとき、きつめに締めておくことが大切です。締める位置は腰骨の少し上あたり、
しっくりくる場所を選んでください。
5-3.おはしょりを整える
おはしょりとは、着物は身長よりも長いですから、着付けるときに腰のところでたくし上げた部分のことです。整えるときには、身八つ口から手を入れて、前と後ろのおはしょりを整えます。このとき、着物が腰紐に挟まらないようにしましょう。そして、掛け衿を持って、背中心を合わせて、衿を整えます。
5-4.襟と前を合わせてひもで締める。
腰ひもで胸下あたりを締めます。着崩れないようしっかりと締めます。
5-5.仕上げ
ここまでできたら、背中にできた余分なしわをのばします。おはしょりを整えて、伊達締めをしたら、着付けが完成します。
6.帯を締める
着付けができたら、帯を締めます。
ただ、帯を一から結ぶのはとても大変ですし、崩れてしまうこともありますから、当社では、付け帯をお勧めしています。「帯を切ってしまうのはもったいない」と感じる方もいらっしゃると思いますが、前回ご紹介した、帯を切らないで付け帯にすることをお勧めします。。この方法なら、後に帯をほどいて、元に戻すこともできます。
着物の着付けは、一見複雑そうですが、慣れると簡単に手早くできるようになるものです。
着物を着ると、普段とは異なる自分を発見できる楽しみがありますし、所作や振る舞いも自然と美しくなります。
みなさまも、是非とも一度、お試し下さい。